• 検索結果がありません。

計算科学研究センター 分子研リポート2006 | 分子科学研究所

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "計算科学研究センター 分子研リポート2006 | 分子科学研究所"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

284 将来計画及び運営方針

5-5 計算科学研究センター

計算科学研究センターにおいては,2000年度における計算科学研究センター化にともない,従来の共同利用に加 えて,理論,方法論の開発等の研究以外にも,研究の場の提供,ネットワーク業務の支援,人材育成等の新たな業務 に取り組んできているところであるが,2006年度においても,次世代スーパーコンピュータプロジェクト支援,分子・ 物質シミュレーション中核拠点形成,ネットワーク管理室支援等をはじめとした様々な活動を展開してきている。上 記プロジェクトについてはそれぞれの項に詳しく,ここでは共同利用に関する活動を中心に,特に設備の運用につい て述べる。

2007年1月現在の計算機システムの概要を下図に示す。システムは大きく分けて2系統からなる。最初のものは 共同利用に供している超高速分子シミュレータと汎用高速演算システムからなり,前者は今年度,2006年7月に新 たに導入され,後者は2003年3月に更新されて山手地区に設置されている。もうひとつは,次世代スーパーコン ピュータプロジェクトにおけるアプリケーションの開発環境であるが,これらはいずれも分子科学やナノサイエンス の計算科学分野における高性能システムである。

システム構成図

まず,2006年7月より運用を開始した新システム「超高速分子シミュレータ」は,これまでの共同利用のスーパー コンピュータシステム(富士通 VPP5000,SGI2800/Origin3800)の後継機である。新システムは,量子化学,分子シミュ レーション,固体電子論,反応動力学などの共同利用の多様な計算要求に応えうるための汎用性があるばかりでなく, ユーザーサイドの PC クラスターで実行が不可能な大規模計算を実行できる性能がある。新システムは富士通の PrimeQuest と SGI の Altix4700 から構成される共有メモリ型スカラー計算機で,両サブシステムは同一体系の CPU(Intel Itanium2)および OS(Linux2.6)をもとに,バイナリ互換性を保って一体的に運用される。システム全体として総演 算性能 8 Tflops で総メモリ容量 10 TByte 超である。

PrimeQuest サブシステムは,64 CPU コア/ 256 GB からなる SMP ノード10台で構成される。演算ノード間は 16 GB/s のバンド幅で相互接続され,大規模な分子動力学計算などノード間をまたがる並列ジョブを高速で実行すること ができる。Altix4700 サブシステムは2ノード構成からなり,それぞれ 512 CPU コア/ 6 TB および 128 CPU コア/ 2 TB を有する NUMA 型の共有メモリシステムである。さらに本サブシステムには,磁気ディスク装置 SGI TP9700 がジョ

(2)

将来計画及び運営方針 285 ブ作業領域として提供され,実効容量 104 T B および総理論読み出し性能 12 G B /s を有するディスク I /O を実現する。 本サブシステムは大容量(最大 6 T B )の共有メモリおよび超高速ディスク I/O に特徴をもち,大規模で高精度な量子 化学計算を可能とする。

共同利用における新システムの導入にあたり,運用面でも世界をリードする計算科学研究を本センターから発信し ていくことができるよう,大規模ユーザのために新たに施設利用Sを設定した。これに従い,審査により,年間3- 4件程度の利用グループに本システムを優先的に使用していただき,従来の共同利用の枠を超えた超大規模計算の環 境を提供している。

2003年3月に導入された汎用高速演算システムは,NE C 製 S X -7 で構成される主システムと T X -7 で構成される副 システムとから成る。NE C S X -7 は l C PU あたり 8.8 G flops の最高演算能力を持ち,256 G B の共有メモリに結合され た 32 C PU の演算装置から構成され,総合演算性能 282.5 G f l ops の共有メモリ型ベクトル計算機である。また,T X -7 は 4 G B のメモリを持ち最大 4 G f l ops の演算性能を有する C PU を32台搭載したノードを基本単位として構成されて いる。本システムは2ノードから成り,合わせて 64 C PU,256 GB ,256 Gflops の総合性能を有する分散メモリ型スカ ラー計算機である。このうち主システムは高速演算,大容量メモリを活用した大規模分子科学計算に用いられ,また 副システムは分子科学計算に加え,ホモロジー検索を主としたバイオサイエンス分野での利用に供されている。

共同利用に関しては,2006年度も141の研究グループの総数555名にもおよぶ全国の利用者に共同利用施設とし て広くサービスを提供し,計算科学分野の中核的拠点センターとしての役割を果たしている。これに答えるために, 通常の研究室レベルでは不可能な大規模計算を実行できる計算環境をさらに充実するために,汎用高速演算システム を2008年2月に更新する。

一方,次世代スーパーコンピュータプロジェクト・ナノ分野グランドチャレンジ研究におけるアプリケーション開 発環境として,H i tachi S R 11000 と H A 8000 を運用している。このうち,S R 11000 は,総合理論演算性能 5.44 T f l ops, 総メモリ容量 3.072 T B の共有メモリ型スカラ並列コンピュータであり,システムは 16way(C PU)を持つ演算ノード 50台で構成され,ノード間は 8 G B y te/s のクロスバーで相互接続されており,周辺装置として 6.8 T B の R A I D ディ スク装置装備している。H A 8000 は,総合理論演算性能 5.495 G F l ops,総メモリ容量 1.796 T B の分散型スカラ並列コ ンピュータで,演算ノードとして 2 C PU を持つ PC サーバ 449 台から構成され,128 ノードごとに 2 Gbps で相互接続 してクラスタを形成している。各クラスタは,周辺装置として 1.1 T B の R A ID ディスク装置を備えている。

計算科学研究センターは,国家基幹技術の一つとして位置づけられている次世代スーパーコンピュータプロジェク トの中で,ナノサイエンスに関わるアプリケーション開発という重要な役割の一端を担っており,分子科学に関わる 計算科学研究のナショナルセンターとでもいうべき分野拠点として,多様な活動の展開がさらに求められている。

参照

関連したドキュメント

昭和62年から文部省は国立大学に「共同研 究センター」を設置して産官学連携の舞台と

昨年度2科目で始まった自然科学研究科博士前期課程のMOT

機械物理研究室では,光などの自然現象を 活用した高速・知的情報処理の創成を目指 した研究に取り組んでいます。応用物理学 会の「光

「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー

それは,教育工学センターはこれで打切りで ございますけれども,名前を代えて,「○○開

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

INA新建築研究所( ●● ) : 御紹介にあずかりましたINA新建築研究所、 ●●

関西学院大学手話言語研究センターの研究員をしております松岡と申します。よろ